前回、虫歯菌が歯の中を越えて骨まで行った時は、多くの場合は歯の中を掃除することになると記載いたしました。
Q:では何回も掃除することが可能なのでしょうか?
一度歯の中を掃除(根管治療)して、かぶせた(補綴物を入れた)後、もう一度歯の中を掃除(根管治療)して、かぶせ物(補綴物)を入れた時のその歯の予後は、成功率が同じなのでしょうか?
すなわち、
1回目の根管治療vs2回目の根管治療(再根管治療=繰り返しの根管治療)
の歯の予後です。
2004年Gorni先生達は、J Endodよりデータ報告をしています。
425人の452歯に対して半分が、大臼歯で根が複雑になっている状態のデータです。そして、
平均成功率69.03%、条件が悪いと場合によっては47%の成功率になると、報告しているのです。
歯の中で虫歯菌がとどまっている場合の成功率は、平均90%以上が多いようです。
それに比べると繰り返しの根管治療は、どうやら成功率が悪いことになるのではないでしょうか。
やはり虫歯は小さいうちに、さらには虫歯の無い状態を保つことが歯を長持ちさせることになるのは言うまでもないことです。
川崎 志田会 志田歯科医院 志田哲也